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茶髪で髪全体をくるくるに巻いた女‥美奈が立っていた。
数人どこからか出てきたけど‥。
みんな、ケバい‥‥。
「貴方、わざと足引っ掛けたわね‥。打ち所悪かったら大変なことになってたんだよ!」
「失礼な言い方。引っ掛けたんじゃないのよ、ソイツが引っ掛かってきたの」
美奈はましろを見下し、腕を組み笑みを浮かべた。
周りの仲間もクスクスと笑う。
何て根性ネジ曲がってるの‥。
私はグッと拳に力が入った。
「唯、気にしないで。あたしが悪かったの」
「ましろっ‥」
「勢いよくかけ降りるのがいけないんだし、ね」
ましろは起き上がり、スカートをパンパンと軽く叩いた。
そのまま美奈を真っ直ぐ見る。
美奈は一瞬顔を歪ませたが、すぐに笑みを浮かべた。
「あたしが憎いなら正々堂々と来なさいよ。あたしは逃げも隠れもしないから」
「っよくそんなこと言えるわね。泥棒猫のくせに!」
行こっ、と美奈が声を掛け、仲間達はどこかに消えた。
美奈の笑みが、すごいヒキツってた‥‥。
ましろは美奈が去っていく背を真っ直ぐ、そしてどこか切なそうに見続けていた。
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