episode.1

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あれから私たちは駅で別れた。 ましろは左手首を軽く捻っただけみたいで、大ケガがなくてよかった。 別れ際までずっと笑顔でいたけど、相当傷ついてるよね‥‥。 「それにしても、美奈は何がしたいんだろう‥‥」 洗濯物を畳ながら1人呟く。 美奈は隣のクラスの中心的存在。 綺麗な人なんだけど、性格がキツくて男子からの評判はイマイチらしい。 ましろの噂流してるのはきっと美奈だ。 けど、2人に接点はないはず‥。 「いったい、何がいけなくてこうなったんだろう‥」 入学して1週間程経ったある日、私は美奈に昼休み倉庫の裏に呼び出されていた。 『白田ましろと仲いいよね?』 『それが何?』 『知ってる?気さくで明るく振る舞ってるけど、かなり男遊び激しいの』 必然的に私を壁に追いやり、美奈と数人の仲間が囲むように話す。 『だから、あまり一緒にいない方がいいわよ』 『ご忠告ありがとう。でも、それは私が決めることだから』 ダンッと音がして、目を瞑る。 私の左側に、美奈の手。 壁に手をついたんだと悟り、目をゆっくり開いた。 息が顔にかかるくらい、苛つきを隠せない怒りに歪んだ美奈の顔があった。 『アンタがその気なら、こっちにだって考えがあるから』 スッと離れ、美奈達は教室に戻っていく。 私はカクンとその場に座り込んだ。 怖かった‥‥。 強気に振る舞ったけど、あんなに迫力あったら流石に怖い。 私は震える手で身体を抱き締める形で教室に戻っていった。 .
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