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私は電車で高校に通っている。
通勤ラッシュに被るのがイヤなので、いつも7時12分のほんの少し早い電車に乗っている。
只今の時刻7時20分。
ケータイに深いため息をつく。
完璧な寝坊‥‥。
私は急いで身支度を整え、足早に家を出た。
「唯!おはよー」
「おはよう‥‥」
只今の時刻8時27分。
あれからすぐ来た電車に乗り込み、8時過ぎに電車を降り、もうダッシュで学校まで走った。
「なんとか間に合った‥」
「いつも早い唯が寝坊?珍しいねー」
「目覚ましかけ忘れてたの」
私は窓側にある自分の席に座り、タオルで軽く汗を拭く。
するとチャイムが鳴り、同時に担任の先生も入ってきた。
私がまだ肩で息をしている様子を見ると、ふっと小さく笑った。
むかつく‥‥。
今日の晩御飯は絶対にピーマンの肉詰めにしよう。
私は机の下で小さく拳を握りしめ、先生かつ兄にふっと勝利の笑みを浮かべた。
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