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「唯、ジュース買いに行こうー」
「うん」
ましろに声をかけられ、1階の購買前の自動販売機に向かう。
お昼休みになると毎日ましろはジュースを買いに行く。
朝コンビニで買えばいいじゃん、と言ったら高い!と怒られ、数分間の説教をくらった。
「あっ!広樹くん!」
ましろは私をそっちのけで呼んだ人の所へ走って行った。
広樹くんは笑顔でましろを迎え、頭をガシガシと撫でている。
私は溜め息をつき、呼ばれるがままに近づいていく。
「よお、唯。ましろにまたジュース買い付き合わされたのか」
「こんちわ、広樹くん。まぁ、そんなとこ」
広樹くんは私の頭もガシガシ撫でて、ははっと爽やかに笑う。
隣でズルいという声が聞こえると、ごめんごめんと言ってましろの頭を撫でる。
「広樹くん。今度デートして?」
「んーそのうちな」
「広樹くんにならイケないことだってしてあげるよ」
「そりゃ有難いなぁ」
「もうっちゃんと聞いてよー」
私は溜め息をつき、ジュースを買う。
ボタンを押すと、ガコン、と音がしてそれを手にする。
ましろは広樹くんを見かける度に声をかけては口説いている。
私が広樹くんと幼馴染みだからか、先輩と呼ばず、広樹くんと呼ぶ。
恋する乙女は可愛いなーと思いつつも、ましろのアタックの強さには呆れてしまう。
広樹くんはなんてことなさそうだけど‥‥。
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