episode.1

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「唯、ジュース買いに行こうー」 「うん」 ましろに声をかけられ、1階の購買前の自動販売機に向かう。 お昼休みになると毎日ましろはジュースを買いに行く。 朝コンビニで買えばいいじゃん、と言ったら高い!と怒られ、数分間の説教をくらった。 「あっ!広樹くん!」 ましろは私をそっちのけで呼んだ人の所へ走って行った。 広樹くんは笑顔でましろを迎え、頭をガシガシと撫でている。 私は溜め息をつき、呼ばれるがままに近づいていく。 「よお、唯。ましろにまたジュース買い付き合わされたのか」 「こんちわ、広樹くん。まぁ、そんなとこ」 広樹くんは私の頭もガシガシ撫でて、ははっと爽やかに笑う。 隣でズルいという声が聞こえると、ごめんごめんと言ってましろの頭を撫でる。 「広樹くん。今度デートして?」 「んーそのうちな」 「広樹くんにならイケないことだってしてあげるよ」 「そりゃ有難いなぁ」 「もうっちゃんと聞いてよー」 私は溜め息をつき、ジュースを買う。 ボタンを押すと、ガコン、と音がしてそれを手にする。 ましろは広樹くんを見かける度に声をかけては口説いている。 私が広樹くんと幼馴染みだからか、先輩と呼ばず、広樹くんと呼ぶ。 恋する乙女は可愛いなーと思いつつも、ましろのアタックの強さには呆れてしまう。 広樹くんはなんてことなさそうだけど‥‥。
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