episode.1

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「守山 拓海じゃん」 ひょこっと隣に現れ、私はギョッと驚いた。 広樹くんは‥もう言っちゃったのね。 「唯、知り合いなの?守山拓海と」 もりやま たくみとはさっきの奴だろうと勝手に思いつつ、知らないと首を横に振った。 「6組のサッカー部レギュラーなんだよ。1年生でレギュラーだなんて凄いってちょっとした有名人」 「へぇ‥。てか何で知ってるの?」 「イケメンを知らないわけないでしょー!」 広樹くん一筋だけどねーと付けたし、スキップしながら教室に戻って行く。 短めのスカートがふわりと揺れ、すれ違う男子たちの目を奪う。 ましろは美人だ。 スタイルも良いし、胸も大きい。 彼氏は‥わからない。 噂で"白田 ましろはセフレがたくさんいる"と学年中に出回っている。 あくまでも噂なので、私は気にせずましろと居る。 それを都合良く思わない人がいるらしく、私も色々噂されている。 それでも、クラスの子は噂を気にせず普通に接してくれる。 『あたしましろ!クラスメイト同士仲良くしよ!』 ましろが、どうして私なんかに声をかけてくれたのか未だに疑問だけど、素直に嬉しかった。 私は自分から声をかけたり出来ないタイプで、いつも誰かに話しかけられるのを待ってしまう。 打ち解けられれば普通に話せるんだけど、それまでが難しい。 あの時のましろの笑顔がキラキラ輝いていて、思わず目を凝らしたっけ。 私は守山 拓海のことを一切忘れ、ましろの後ろ姿を追いかけて行った。 .
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