148人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「守山 拓海じゃん」
ひょこっと隣に現れ、私はギョッと驚いた。
広樹くんは‥もう言っちゃったのね。
「唯、知り合いなの?守山拓海と」
もりやま たくみとはさっきの奴だろうと勝手に思いつつ、知らないと首を横に振った。
「6組のサッカー部レギュラーなんだよ。1年生でレギュラーだなんて凄いってちょっとした有名人」
「へぇ‥。てか何で知ってるの?」
「イケメンを知らないわけないでしょー!」
広樹くん一筋だけどねーと付けたし、スキップしながら教室に戻って行く。
短めのスカートがふわりと揺れ、すれ違う男子たちの目を奪う。
ましろは美人だ。
スタイルも良いし、胸も大きい。
彼氏は‥わからない。
噂で"白田 ましろはセフレがたくさんいる"と学年中に出回っている。
あくまでも噂なので、私は気にせずましろと居る。
それを都合良く思わない人がいるらしく、私も色々噂されている。
それでも、クラスの子は噂を気にせず普通に接してくれる。
『あたしましろ!クラスメイト同士仲良くしよ!』
ましろが、どうして私なんかに声をかけてくれたのか未だに疑問だけど、素直に嬉しかった。
私は自分から声をかけたり出来ないタイプで、いつも誰かに話しかけられるのを待ってしまう。
打ち解けられれば普通に話せるんだけど、それまでが難しい。
あの時のましろの笑顔がキラキラ輝いていて、思わず目を凝らしたっけ。
私は守山 拓海のことを一切忘れ、ましろの後ろ姿を追いかけて行った。
.
最初のコメントを投稿しよう!