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「唯ー、帰ろうー」
「うん。あ、今日からバイトなの」
放課後になり、私はましろと廊下を歩く。
口には、甘いオレンジ味の飴。
「そうだったね!スーパーのレジだっけ?」
「うん。でも1回家に帰ってからだからいつも通り一緒に帰れるよ」
「やった!給料入ったら駅前の1番高いクレープ奢ってね!」
えーと言いつつ、ましろのウキウキした笑顔には負ける。
綺麗なモデル並の顔立ちに、振り返らない人はいないくらい。
無邪気で可愛くて、
本当ましろには敵わない。
「ましろ、危ないよ」
「へーきへーき!」
ましろは小走りで階段をかけ降りる。
それを見失わないよう私も追いかける。
あ‥‥、
あの人‥‥。
「きゃっ‥」
「ましろっ!」
パシッとましろの腕を掴み、階段の手すりに捕まった。
引っ張った反動で後ろに倒れこむように座る。
危なかった‥‥。
「ったー‥‥」
「ましろ、平気?」
「あら、大丈夫だったー?」
クスクスと頭上から笑い声がし、キッと睨んだ。
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