空のむこう

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「‥これからどこに?」 「そのレンタルビデオ店に行くとこ、君は?」 「私はもうそのレンタルビデオ店に行って家に帰るとこ」 よく見ると彼女は、レンタルビデオ店のケースを持っていた。 中にはDVDが入っているようだ。 「何借りたの?」 「空のむこう」 「空のむこう…?」 その言葉を聞いた時、頭の中で走馬灯のように映った映像…それはソファに座り、笑い合う2人が一緒にテレビに釘付けになっている映像だった。 何故こんな映像が飛び込んで来たのか、僕は不思議に思った。 「実は、レンタルビデオ店でこの映画を手にした時、あなたが私と笑っていたの…それがフラッシュバックみたいに、頭に入り込んだのよ‥」 「僕もだ。僕も同じだよ!君からその映画の題名を聞いた瞬間、走馬灯のように君と笑い合っている映像が見えたんだ!」 「あなた、もしかして‥よく空を見上げない?そして思うの、自分は、今の自分が体験してないことを実は大昔に体験してるんじゃないかって…」 彼女の言うとおりだった。僕は彼女との類似する点があまりに多く、鳥肌がたった。
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