始まりは唐突過ぎて

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「--では、今回はランク上位者四名による戦闘演習を行ってもらう。他の奴らはそれを見て、自分に足りないものを理解することだ。チームは大宙、ジーナスと早乙女、オルドヴァイの組み合わせでいく」 「今回もアテにしてるよ翔くん」 こいつはピノン。ピノン・ウィザード・ジーナス。俺のクラスメイトで学年三位、狙撃の点は俺以上だ。フランスエリア出身の学力S、運動S、適性A+。 「また凜と~。仕方ないから頑張ってあげる」 こいつはカーミン・オルドヴァイ、何でも凜の幼なじみで背は低い方。学年四位のややツンデレ。月コロニー出身で、凜も月コロニー出身である。 運動S、学力はA、適性もA。 ちなみに凜は運動S、学力S、適性Sである。 「何でお前はそうツンデレなの!」 「落ち着け凜。三連続同じチームなんだ、仕方ないのも当たり前だろ?」 「それ以前にあんにゃろうの悪意を感じるがな」 おいおい、先生をあんにゃろうと呼ぶなよ。俺もたまに呼びたくはなるが。 「今回は、この島の北部五キロを範囲とし、時間は1時間。開始は二十分後だ」 説明が遅かったが、ここは日本近海に浮かぶ人口島で縦横五十キロもあり、いざという時は戦艦になるとか。 確か、今回のエリアである北部は山と荒れ地が目立つ地形だ。 今回使用するA・Dはリヴァイアサン。民間、軍用にも使える機体。A・Dは平均的に全長十メートルほどで、パイロットによりタイプが異なり、ピノンは狙撃型、カーミンは格闘型、俺と凜は一般型を使う。他にも電子戦を得意とする電子型、高機動で翻弄する機動型、装甲が分厚い守備型などが挙げられる。 パイロットスーツはA・Dがパイロットの動き、思考をトレースしやすくするため肌にピッタリとくっつく。そして通信は基本的には頭で会話するイメージだ。しかもA・Dに搭乗すると《シンクロ》するのでA・Dと一体化したような感覚になるから、慣れないとキツイものがある。
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