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よく晴れた日曜日の朝。
時刻は9時を回ったところだ。
「千早ちゃ~ん!」
「うわっ!」
猛烈な勢いで抱きつく少女?とそれに驚く青年。
はたから見ればそんな印象の二人。
「待った~?」
「いや、今来たとこ」
「良かった~それと!もうちょっと可愛い声出しなよ、“女の子”なんだからさ」
人差し指を立てて説教じみた話をする千冬。その言葉の中に女の子の文字が現れた瞬間
周囲の人間が振り返った。
それもそうだろう……
「別にいいだろ。千冬こそ、その格好女の子みたいだから少し変えたら?一応“男”なんだし」
なんせこの二人。
性別と見た目が逆なのだ。
「え~千早ちゃんが女の子好きだから嫌でも着てるのに~」
「嫌なら着なきゃいいじゃん」
「え~」
「でも……」
「?」
「似合ってる。可愛いよ、千冬」
どきんっ。男であるはずの千冬がドキドキしてしまった。
千早は王子様のように優しく千冬の髪に触れ微笑んだ、だけ。なのだが、その笑顔の美しさに男である千冬でもときめいてしまったのだ。
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