第一環 男女逆転カップル

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よく晴れた日曜日の朝。 時刻は9時を回ったところだ。 「千早ちゃ~ん!」 「うわっ!」 猛烈な勢いで抱きつく少女?とそれに驚く青年。 はたから見ればそんな印象の二人。 「待った~?」 「いや、今来たとこ」 「良かった~それと!もうちょっと可愛い声出しなよ、“女の子”なんだからさ」 人差し指を立てて説教じみた話をする千冬。その言葉の中に女の子の文字が現れた瞬間 周囲の人間が振り返った。 それもそうだろう…… 「別にいいだろ。千冬こそ、その格好女の子みたいだから少し変えたら?一応“男”なんだし」 なんせこの二人。 性別と見た目が逆なのだ。 「え~千早ちゃんが女の子好きだから嫌でも着てるのに~」 「嫌なら着なきゃいいじゃん」 「え~」 「でも……」 「?」 「似合ってる。可愛いよ、千冬」 どきんっ。男であるはずの千冬がドキドキしてしまった。 千早は王子様のように優しく千冬の髪に触れ微笑んだ、だけ。なのだが、その笑顔の美しさに男である千冬でもときめいてしまったのだ。
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