第1章

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 時は流れ続け…  2349年8月21日  地球規模の第六次対テロ紛争の戦禍とは無縁の、平和な地球の元日本、現日本自治領区香川県丸亀市  彼らは大型ショッピングセンターの二階、プラモデルやフィギア、ジグソーパズル等といった玩具を販売しているショップに居る。  「ユウ!コレだ、コレ!」  「あんまり大声出すなよ、笹」 ユウと呼ばれた少年は、場をわきまえずに、声を発する彼にうんざりとした感じで、彼に近寄っていく。 近くまで寄ったユウは、 「はぁ~」 と、わざとらしい、大きなため息をついた。 「ため息なんかつくと幸せが逃げるぞ」 どうやら彼は、ユウが発する雰囲気を読み取れなかったようだ。 ユウは仕方なく、口を開いた。 「笹谷ユウジ君、元気なのは良いけれど、場所を考えてくれないかな?こっちが恥ずかしくなっちゃうよ」 ユウは、わざと彼のフルネームで呼び、彼の長所であり、短所でもある、部分を指摘した。
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