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「さてさて、コレを買いますか」
彼らはレジへ歩いていこうとした。
「?」
ユウは服の裾を後ろから引っ張られ、後ろへ振り向くと、ユウとは二歳年の離れた妹だった。
目を合わせようとして、そらして、また合わせようとしてそらした。唇を噛んで、何か言いたそうにしている。
妹のこの行動は、何か頼み事や、言いにくいことを、言いたいときによくする行動だ。
「ユイ、何か言いたいことがあるなら、言えばいいんだぞ」
ユウは、母がそうするように、優しく聞いた。
「これも買って?」
何か握った手を前に出して言った。その手の位置はちょうどユウの胸の辺りだ。
ユウは左手を出して、ユイが握っているものを受け取った。
ユウの手のひらには、二つのネックレスがあった。それは、ハートの形をしている。片方は、蒼いガラスか何かで出来ているもので、もうひとつは、金属でできたハートの中身がない、縁取りがされたものだ。
ユウがなぜ二個なのだろうと疑問に思っていると。
「片方はユウのかい?」
笹谷が的を突いた質問をした。
ユイはにっこりと笑って答えた。
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