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朝日が明るく照らし、通勤途中の自動車のエンジン音や、同じく通学途中の生徒や児童たち和気藹々とした話し声で賑わう、どこにでもあるような町並み。
車二台が通るには少々窮屈な幅の道路の両端には、統一性がありながらも、どこか家主の個性を反映したような、平凡な家々が並んでいる。
T字路に面して設置されたカーブミラーの柱の上や電信柱から伸びる電線にはされた鳥が止まり、実に平和な光景が広がっていた。
横に広がって歩く学生たちにイライラしつつ、轢いてしまわないように細心の注意を払って運転している若いドライバーにとっても、携帯電話を操作しながら、仲の良い友人たちと思い思いに喋りながら、その行為が迷惑などとは露ほども思ってない学生たちにとっても、また、仲良く電線の上で合唱している鳥たちにとっても、それはいつも通りの朝の風景だった。
そんな平和な光景の中で、異変は突如起こった。
のどかな風景の中に、悲鳴が響き渡る。
発生源は、横に広がって歩いていた学生のうちの一人。
他の四名は恐怖で声をあげられないのか、ただただ怯えているだけだ。
そんな彼らの目の前には、緑色の、一匹のカマキリがいた。
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