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そして更に月日が経ち、今の合衆国、同盟国、連合国による三つ巴の戦争状態になったのだ。
……話は戻るが、今俺がいるこの秋葉基地こそが、秋葉に衝突した隕石を安置している場所なのだ。
巨大隕石は撤去するにはもったいないとの連合国の意向で、巨大隕石の上にビルを建て、地下に対同盟国への軍事基地兼隕石の研究所が出来上がったのだ。
そして俺は地下2階へ向かっている。地下2階には今後の同盟国への対策を話し合う会議室があり、今から俺はそこで今日の戦績を伝えにいくのだ。
『魔法使いは群れない』、正に的を射ている言葉である。全員がそうであるわけではないが、大半の魔法使いには協調性というものがない。なので集団で行動させようとすると大きいか小さいかはわからないが、何かしらの綻びが必ず生じる。
だが魔法使いはその身一つで巨大な戦力になりえる。協調性がないのを余り補って、国としてメリットが大きいのだ。なので各国は一人でも多く、魔法使いを戦争に投入したいと考える。そうして考えられたのが、もし軍部へと身を置いら、魔法使いには様々な特権を国が与えるというものだ。
そして俺もその特権に釣られて軍部に身を置いた一人なのである。
「おっと……ついたな」
チーンとエレベーターが目的の階についた事を知らせる。
そこは宇宙ステーションと言っても疑われない程の近未来的な空間であった。見渡す限りの白。白に混じり、赤や青のランプが点滅している。
俺は衣装そのままでステッキを消し、会議室へと向かう。仲間は俺がステッキを持っていると酷く怖がるのだ。はて? なんでだろな。
会議室の扉の前で、ポケットからカードキーを取り出し、スラッシュする。するとドアが自動的に左右に開いた。正に基地って感じだよね。
「マジカル☆メルト、ただいま帰還しましたーー!!」
綺麗なソプラノボイスで会議室の皆に挨拶をする。
「「「…………」」」
返ってきたのは無言。所謂スルーというやつである。
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