帰って受難

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5分後ー… 「なるほど、だから部長さんは隼人を襲っていたわけなんだな」 「ああ」 「ちょっ、その言い方やめろ!なんか卑猥」 なんとか美琴の誤解をといた俺は、その場で三人丸くなり話し合っていた。 「でも部長さん、いくらなんでも襲うのはやり過ぎだと思うよ」 「うっ…だってこいつが」 「言い訳しない、隼人も。変態ばっかとつるまない」 「だって…ストーカーされてるし…あいつら変態だし」 というか俺被害者!! 「まぁ、とりあえず悪かったな」 「…こちらこそ、変態が悪かったな」 部長さんが謝ってきたので俺も謝罪を口にする。 「そういえばなんでお前ってあいつら変態美形どもに好かれてんの?」 「あ、それ俺も気になってた」 「え、あ―…それは」 部長さんが同情した目をしながら聞いてきたら美琴も乗っかってきた。 「俺、声で相手を腰砕けにさせるのが得意なの」 「「は?」」 自分を指さしながら言うと、2人はぽかーんと間抜け面をした。 そしていきなり笑いだした。 「ちょ、なんだよそれ!!」 「ふはっ…ありえねぇだろ!聴いただけでとか!!」 「むっ…」 さんざんバカにする2人にいらだってきた。 「ぶちょーさーん」 「はいはいなんですか!腰砕け君」 俺はバカにする部長さんに近づいて手を絡め取り口を耳に近付ける。 「は…なんだよ…」 「【俺…アンタに惚れたみたいだ、愛してるぜ…?】」 「ふぉおお!?」 とたんに床に座り込む部長さん。 「え?なに?」 部長さんにしか聴こえるようにいってないので美琴が驚いている。 「みーこーと!」 「お、おう」 「【好き。俺、美琴のことが大好き】」 「――っ!!」 声も出さずに顔を真っ赤にして床にへたり込む美琴。 ちなみに部長さんへの言葉はエロティックに。 美琴への言葉は清純派で言った。 「どーだ!まいったか!!」 「「っぐ…」」 「え、なぁに?その顔もっといってあげようか?」 「や、やめろ…悪かったって」 「ちょ、隼人たんまごめんもうむり」 「今回は許してあげるー、んじゃばいばーい」 そう言って歩き出す俺。 「はっ、ちょ、おい!一人だけ帰るとか!!」 「え、隼人ー!た、たてないんですけど!!」 ドアをスライドして部屋をでる、振り向きざまに言ってやった。 「【ふふっ、がんばって?】」 「「……ふぐぅっ!!」」 こうして俺は部屋から退散した。
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