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「ん……」
なんだろう……ここは。
目を覚ました僕は知らない一室のベッドで眠っていた。
辺りを見回す。
とりあえず病院ではないだろう。
どこか落ち着かない黒と白を基調として、ドアが一つ三角窓が一つ、広さは・・・・そんなに広くはない。8畳くらいだろうか。
そんな部屋に僕は寝ている。
なぜか。
おそらくさっき僕を動かした好奇心が招いた事故だ。
はっきりいってしまえば意識がなくなる前、なにがあったかはしっかりと記憶している。
でもこんな状況で記憶なんてものは意味がない。
解決策が生まれるわけではないから。
そういうこと。
「あ、起きたみたいだね」
唯一あるドアのほうから声がした。
そこにいたのは一人の少女。
女の子、と呼ぶべき容姿をしている。
幼く見えるがおそらく同い年くらいだろう。
ミルクティーみたいな色をした長い髪の毛が印象的だ。
「あの、すいません寝かせてもらったりしてご迷惑をおかけします」
僕がそういうと彼女は不思議そうな顔をした。
「う~ん……君変わってるね。ぼくはてっきり『こ、ここはどこだ!?お前一体・・・何者だ!』みたいな反応をすると思ってたんだけどなぁ」
彼女は無邪気に笑いながらそう言った。ぼくっ娘………僕と一人称が同じというのはなにか変な感じがする。
こう、分かりにくいというか……いや気のせいか。
「そんな分かりやすい模範的な反応するほど僕は普通じゃないですよ」
「普通、ね。まぁいいけど。あとぼくは全く模範的じゃないと思うよ?君やっぱ変わってるね」
にこにこしながらそんなことを言った。
なにか騙された気分だ。
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