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第Ⅰ話【勉強会】
「……ちゃん」
誰かが自分の名前を呼んでいる。
「ちーちゃん!!」
今度は、はっきりと大きな声で呼ばれた。
はっと、我にかえった女生徒。
白石千景【しらいちかげ】は、自分を呼んだ声の主である、
葵雪【あおいゆき】に返答した。
「えっ!?何?」
「も~、ちーちゃん。今の話、聞いてた?」
「どしたの?ちーちゃん。ボーっとして」
黒田宏美【くろだひろみ】も心配そうに聞いてきた。
「別に…少し考え事」
千景は、時計に目を向ける。
時計の針はちょうど、6時を指していた。
「それで、話って?」
千景は雪に質問した。
「やっぱり、聞いて無いじゃん!!」
「テスト対策の勉強会をどこでやるって話だよ」
宏美が、助け舟を出した。
「どこでやるの?」
「私の家はなんてどうかな?」
雪が、自分の家での勉強会を提案した。
「別に良いんじゃない」
千景は、雪の家で勉強会をする事に賛成した。
宏美も同意見のようだ。
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