運命の悪戯

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「男と女。友情で終わるわけないじゃんッ。境界線を超えたらアウト。後はずるずると一線超えちゃうよ。真里愛は、特に危険。恋愛経験少ないから、溺れちゃうのが手に取るようにわかるよ」 ズキュン 親しくしてる友達だからこそ、キツイ一言だった。 「…うん。わかった」 夏希と話しててわかった事がもうひとつ。 今日 会ったばかりの佐久間さんの事を男として意識してる… 人見知りだから。とかじゃない… 佐久間さんだから、ずっと緊張してたんだぁ。 夏希との電話で佐久間に惹かれている事に気づかされた。 その時。心が締め付けられる思いを感じた。 ガチャ。 玄関が開く音がした。 あ、龍次。 「夏希、龍次が帰って来たからまた明日。幼稚園で…」 慌てて携帯電話をポッケにしまう。 「真里愛、ご飯」 「はーい。今行くね~」 疑われない様にいつもの様に、振舞った。 龍次の顔をみる事が出来ない。 「パパ~、おかえり」 「美愛、ただいま。今日幼稚園で何したの?」 ガチャン… 動揺してコップを床に落としてしまった。 「大丈夫か。手見せてみろ」 龍次が真里愛のそばにかけよった。 龍次… 「怪我ないみたいだね。真里愛、変わろうか?」 優しさが胸を苦しくする。 「ううん…大丈夫だから」 普通にしたい。 普通でいたいのにぃ… 「幼稚園で友達出来たよ~。佐久間希ちゃんっていうの。一緒にブランコして遊んだぁ~」 「よかったなぁ~。パパも仲間にいれて貰おうかな。あはは」 苦しい… 別に、龍次に言えない様な事をした訳じゃないけど… 知られたくない。って思った…
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