運命の悪戯

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「ママ、お腹すいたよぉぅ」 幸乃 麻里愛(23)の娘 美愛(5)幼稚園の年少さん。 「美愛…ごめん。今起きるね」 美愛に体を揺さぶられ、眠い目をこすりながら台所に。 久しぶりにお酒飲んじゃったから… いつもより少し遅くなっちゃったぁ。 「美愛、おにぎりでいい?」 「おにぎり、やったぁ」 ごめんね、美愛。 明日は早く起きるから。 「麻里愛、今 何時?」 二階から、あくび交じりの声でおりてきた。 「もう、6時過ぎ…ごめんなさい」 「頼むから、俺が仕事の日の時はお酒飲むの辞めてくれないかっ」 「ごめんなさい。気をつける…」 …私が、いけないんだぁ。 そう思ったら悲しさが込み上げてきた。 「パパ、ママ。ケンカしないでぇ…」 ふたりの足をギュッと握りしめて今にも泣きそうだ 美愛… 「美愛…ケンカじゃないよ。」 「じゃぁ、なんでママ泣きそうな顔してるの?」 「…あのね」 美愛の顔を見てると言葉につまった 「美愛、パパは。ママの体が心配であんな事いったんだよ」 …龍次 「心配で?」 「あぁ。お酒で病気になってママが倒れちゃったらイヤだろ?」 「うん」 「パパもだぁ」 「パパ、ママの事。大好きなんだね」 「もちろん。大好きさ」 美愛を両手で持ち上げて、抱きしめた。
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