運命の悪戯

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やり残した事をすませる為、軽やかに自転車をこいで帰宅。 ワン ワン 麻里愛の家から犬の鳴き声。 ガチャ。 「ティファニー、帰ったよ~」 アパートだけど、ペットオッケーの家に住んでる。 尻尾を、フリフリ。 嬉しくて仕方ない様子で麻里愛を出迎えた。 「散歩、いこっかぁ。」 茶色のトイプードルのティファニー。メス。 龍次と麻里愛の結婚日に、記念に買った愛犬。 名前のティファニーは、結婚指輪からつけた。 首輪には、ハートの名前入り。 ラメ入りでキラキラしてる。 夜でもわかるように。 近くの公園の散歩道を選んだ。 「ワン ワン」 ティファニー?? いきなり吠えながら走り出した。 その勢いで、リードが手から離れた。 「ティファニー?」 角を曲がったあたりで、ティファニーの後ろ姿が目にはいった。 「いたぁ。」 こんな事、今までなかったのにぃ。 近くまでいってリードを拾い手にした。 「キャン キャン」 このダックス、可愛い。 「ワン ワン」 ティファニーとダックスは、仲良く会話してるようにみえる。 「何処から来たの?」 見かけないダックスフンド… 「ロン、こらッ」 男性の声と足音がそばで止まった。 「ごめんなさい。ご迷惑ではなかったですか」 「…あ、いえ」 顔を見ないで話すのは失礼だと思って見上げた。 ダックスくんの、飼い主さんぽい。 かっこいい… 思わず顔がほてる。 うわ、緊張してきてる。 ただでさえ、人見知りなのにぃ。 こんな事って。
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