運命の悪戯

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現実にいるんだぁ。こんな素敵な男性。 目の前に、ずっと思い絵がいてた理想の男性がいる。 もう、胸キュン。 どうしょう。 何か話さなきゃ… こういう時、なんていうべき。 「トイプードルも、可愛いよね」 「あ、はい」 うわぁ~ 「ティファニーっていうの? 女の子?」 ティファニーを優しくなでてくれる。 「そうです」 緊張から声が高鳴る。 恥ずかしぃ。 ティファニーに、まとわり付くダックスフンドのロン。 「俺の、オスだから…ゴメンね」 「いえ」 ティファニーもいつの間にか仲良さげに遊んでる。 「気が合うのかな。二匹」 緊張からか、会話が繋がらず沈黙に。 どうしょ。 こういう時。犬の話題だよね。 「ロンくん…?」 「え?」 「あ、さっき。ロンって呼んでたからぁ」 「そうだけど。そっちは、ティファニーって。ブランドの名前から?」 「はい。私がティファニー好きだから」 「そう。俺の嫁もなにかと買ってる」 ズキュン… 「どうかした?」 「あ、いえ」 …私。 嫁って言葉に動揺してる。 こんなに素敵な人だもん。 奥さんいて、当然じゃん。 「あ、そろそろ。…家、近く?」 「あ、はい」 「また、会えるかも」 最後にいい残して来た道のりを戻っていった。 さっき。また、会えるかもって… ドキドキ。 そんなん言われたら、余計気になるじゃんッ。
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