29人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
これって、浮気にならないよね。
偶然、ばったりだし。
大丈夫だよね…
って、あぁ~。
変だよ。私。
あの人、最後にあんな事をいうからぁ…
家に帰ってからも、頭から男性の面影が消えることがなかった。
疲れた身体を休める為にベットに。
「私。いけないことをしたのかなぁ~…」
暫くして、耳元に置いてある携帯がなった。
「もう少し~…」
あ。いつの間にか寝てたんだぁ。
美愛のお迎えに行かなきゃ。
幼稚園に着くと、園庭に輪になって親を待つ子供達と先生。
早歩きで駆け寄った。
「美愛、お待たせ」
「ママ、遅いよ」
「あっ」
聞き覚えのある声。
声の方に目をやる。
あッ。
顔みるだけで真っ赤になる。
「昼間は、どうも」
「はい…」
「ママ、希ちゃんのパパだって」
「あ、うん」
お互い、子供に目をやりつつやり過ごした。
まさか。
希ちゃんのパパだったなんて…
「ママ、希ちゃんとブランコして遊んだぁ~」
「そう。よかったね」
朝は、照れてた癖に。
すっかり友達って感じ。
よかったぁ。
自然と笑みがこぼれる。
「希、友達できてよかったな」
「うん。パパ、美愛ちゃんと帰る」
かぁ~。
緊張感がましていく。
「…美愛、どうしたい?」
一緒に帰る!っていう答えがわかってながらも。恐る恐る聞いてみた。
「ママ…一緒に帰っていい?」
「…あ、う~ん」
一緒に帰る!って事はもちろん親も一緒だしぃ。
イヤじゃないけどぉ…
どうしよ。
「急ぎじゃなければぁ」
ドキン。
「あ、はい」
佐久間さんと一緒に…
嘘 みたい。
「ママ、ありがとう」
「パパ、ちょっと遊んでくるね」
親の心、子知らず…
まさにアレ。
「…行ってしまいましたね」
「…はい」
園庭の真ん中に2人だけ。
考えただけで、暑くなる。
どうしよ。
同じ組の人とはいえ、男性。
周りからの強烈な視線が痛い。
ど真ん中に知らない男性と私。
周りからみたら、疑いをいだいてもおかしくない状況にも思える。
あ、やっぱ見られてるし。
「あのぅ。場所…移動しませんか…」
「あ、そうだね」
佐久間さんも…
なんか、気まずそう。
周りから離れた場所に移動した。
佐久間さん…
近くで見ると、ますますかっこいい。
最初のコメントを投稿しよう!