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小さい身体が震えてる。
その小さい背中も
柔らかそうな巻き髪も
細くて白い指も
俺の物では、無い。
「…あいつのどこが好きなの?」
両手に顔を埋めて
泣いている彼女を横目で見ながら
煙草に火をつける
「…ぜんぶ」
自嘲気味に笑った彼女の顔が
あまりにも美しくて
あまりにも悲しげで
むかついた
「だってあいつ、お前泣かしてんじゃん。今頃他の女んとこだろ?連絡も無いんだろ?…何で笑ってられんだよ。」
言ってはいけない事を言った
みるみる彼女の顔が歪んでゆく
―――他の女
いつだってそうだ
こんな可愛い彼女を、
俺の好きな女を、
平気で傷付ける
離れる事は無い、って
わかっているから 傷付ける
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