2.わたしたち と 彼女の世界

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玲音ちゃんは、リアルがわたし達と同い年の女子大生だ。 文系の大学に通っていて、小難しい経済の事なんかを中心に学んでいるらしい。 わたしたちはリアルの彼女には会った事は無い。 けれど、いつだか冒険をしていた時、リアルでも二人と会ってみたいと言ってくれた。 少し目を反らしながらも、嬉しそうな顔で。 そんな一面も持つ玲音ちゃんは、やっぱり普通の女の子なんだなと思う。 男勝りな俺っ子をロールしてリアルと違う自分を演じていても。 根はきっと素直なんだろうな。 わたしたちの目の前を往来するPCの中に、彼女の姿を探してみたけれど、 待ち合わせ時間から10分程過ぎていた。 しのぱは軽く欠伸をしてから、しばらく黙っていたわたしに話しかけてきた。 「そういえばはのって、2ndの武器は何にしたの?」 「ん、大鎌だよ☆見るからに強そうだし、それに武器にかわいいのがありそうだなーって」 「…でもそれってさ、拳2ポイントと大鎌2ポイントで4ポイントになっちゃったから、もうこれ以上武器は選べなくなるってことでしょ?せっかく最高3つまで選べるのに、もったいなくね?」 「いいじゃん。使ってみたかったんだから」 「大鎌選ぶとは…はのちゃま魔女気取りですかそーですか」 「そんなつもりじゃないから^^*ってか、魔女のジョブ選べるんだったら間違いなくわたしは武器を七杭にしてるし」 「それ武器じゃなくね?家具じゃね?っていうか持ち運びどうやってするのさ」 「必要な時に呼べばいいんだよ」 「なにそれずるい」 わたしたちは、普通の人が聞いたら?マークが付きそうなネタを交えながら、笑いあった。
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