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玲音ちゃんがどこかほっこりした表情でわたしのPCを眺めている。
あぁ、やっぱり玲音ちゃんは今日も平常運転みたいだ。
「左脚の絶対領域がいいよな。アシンメトリーなデザインだから、ミニ丈もマキシ丈も見えるし。しかもニーソのチラ見えとかまじ秀逸なデザインだわこれ」
「玲音」
「着物も十分似合ってたけど、やっぱり袴も格別だぜ。なんか大人って感じでさ。だけどゴスロリ風だから可愛くも見えるし、まさにはのちゃんの為の衣装ってかんじだな」
「玲音ちゃん」
「極めつけはやっぱりツインテだよな。某歌ロイドのネギ娘並にツインテ似合うはのちゃん、流石だぜ。まさしく俺の女神!!!1略してOM!!!」
「うわぁ」
「玲音ちゃん、褒めてくれるのは嬉しいけど…いい加減気持ち悪いぞっ☆」
「……!?はっ、俺としたことがつい…」
玲音ちゃんの、『玲音ちゃんのストライクゾーンなものを見ると興奮しちゃって暴走しちゃう病』だ。長いからわたしたちは『玲音ちゃんの病気』と呼んでいる。
「この変態ニーソフェチの俺っ娘百合ヘタレめ」
「最後のは余計だぞシノ」
「じゃあヘタレ電波っ娘」
「だからヘタレ言うな!」
「もう二人とも…やめなってば´`;玲音ちゃんばっか苛めたらかわいそうだよぅ」
「まあ、確かにはのも人の事言えないしね」
「ちょっ……それどういう事さ^^^^^^」
「はのも薔薇な書物が好きな変態淑女って事ッ…ぐほう」
わたしは、しのぱの右頬にストレートをヒットさせた。ジョブエクステンドをする前まで、わたしのメインの武器だったから、威力には結構自信があったりする。
しのぱは、棒読み気味な断末魔を上げわたしの足元に崩れた。
こういう時は『ありがとうございます!』って言うんだぜ、とにやにやしている玲音ちゃんから見下ろされながら。
「それ以上はNGだよ☆」
わたしはしのぱの前に屈むと拳握りしめインクをしてみせた。
しのぱにあんまり調子に乗られちゃうと、わたしのキャラ位置が可哀想なことになっちゃうからね。
「あ、そうだはのちゃん」
「なに、玲音ちゃん?」
「これからどうするんだ?まだ時間もあることだしさ。大鎌試しにエリアでも行く?」
「…うーん、どうしようかな」
それからしばらく会話を交わした後。
わたしと玲音ちゃんは中央広場のギルドショップを巡りながら、暫し時間を潰していた。
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