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しのぱとは、BBSを見てくるということで一旦別れた。欲しい武器があるらしく、その情報を集めたいのだそうだ。終わったらメールするから二人でデートでもしてなさい、とにやけながら足早に去っていってから10分程経っていた。
「多分もう少しで来ると思うからそれまで待ってようよ」
「だな。サポートあった方がいいし。…なんだかんだシノは頼りになるしなぁ…あ、それとこれ、ください」
そんな会話をしながら、わたしは回復アイテムを、玲音ちゃんはいくつか装備品を買った。
ギルドショップで用事を済ませたので、わたしたちは人混みを離れて広場の隅へと移動する。
玲音ちゃんはわたしの横で軽くため息をつくと、夕暮れの空を見上げた。
その横顔が、どこか寂しそうに見えるのは気のせいだろうか。
「はーあ、二人とも凄いなぁ」
「どうしたの?いきなり」
「はのちゃんはエクステンドしちゃうし、シノは一人で強くなろうとしてるし…俺も二人のために強くならないと!」
「ふふ…じゃあ今度は、玲音ちゃんのレベル上げに付き合うね」
「ほ、本当!?」
「勿論だよ。皆で一緒に強くなろう?」
「とーぜん!」
玲音ちゃんは、さっきのどこか寂しげな表情から一変して元気な笑顔を見せた。わたしはそれに答えるように、微笑んでみせる。
わたしだって二人の力になりたいから。
誰かから頼りされることは、頼ることの出来る誰かがいることと同じくらい嬉しい事だと、わたしは思う。
仲間がいることって、本当に幸せな事だと思うから。
゙ねぇ…はの゙
「(…な、なに?)」
唐突に、彼女がわたしに呼びかけてきた。しのぱと別れ、玲音ちゃんと二人きりになった時から、ずっと空気を読んで黙っていたのかもしれない。全く声を掛けて来なかったので、わたしは不意をつかれて声をあげそうになった。
…玲音ちゃんじゃなくてしのぱだったら、きっと気付かれてたかも。
゙貴女に来てもらいたい場所があるの…゙
「(…?)」
わたしは黙ったまま、彼女の声に耳を傾ける。
その声色はどこが緊迫した雰囲気を漂わせていた。
「(なにかあったの?)」
゙お願い、貴女にしか頼めないの゙「(……)」
藁にもすがりたいという思いを孕んだような、そんな口調。
わたしは未だに嬉しそうに笑っている、玲音ちゃんの横顔を見る。何かをわたしに話しかけてくれているんだけど、正直いうと、あまり彼女の話に集中出来なかった。
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