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「ふーん、エミちゃん、ねぇ…」
「やっぱ…あんな電波アイドルよりも、ドSアイドルのミユリ様のほうがいいよねー」
「しのぱ!」
「やあ、はの。…少し遅れちゃってごめんぬ」
「だいじょぶだよ~^^課題お疲れ様(^^)/」
わたしの独り言に答えるように、アイドル論議をしながらわたしの死角から神出鬼没に登場したのは、初木奈緒の操る魔導士の『シノ』だった。
少し長めのグレーの髪。
深い群青の切れ長の瞳。
銀色のフレームの眼鏡。
裾が長かったり、ベルトが付いてたりしてアレンジされた、黒の礼服。
頭にはリボンが付いたお洒落なシルクハット。
なんか、ほんとになおのイメージにぴったりだと思う。
これこそ、『紳士』って感じで。
「なーに、そんなじっくり見ちゃって。ボクは紳士は紳士でも、変態っていう言葉で誤魔化すゲスな輩じゃないからねー」
「誰も言ってないでしょそんなことッ!?(^w^;;)」
「ふふ。なんとなくはのがそう考えてる気がしたの」
人の考えている事を見事に見抜いて、ニヤリと不適な笑みを浮かべるのは、彼の癖だ。
リアルのなおとやっぱり同じだなーとか、こういう些細な事で妙に納得してしまう。
「さあて、ボクも来たことだしー、あとはもう玲音だけかな?」
「うん。玲音ちゃんから連絡は来た?」
「いや、でも多分もうじき来るよ。今日は何の予定も無いみたいだし」
それだけ答えると、しのぱは、わたしと同じ様に噴水の縁に腰掛ける。
そうしてのんびりと、もう一人のわたしたちの仲間―玲音ちゃんを待つことにした。
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