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『蒼…』
優しい声が頭に響き渡る。
その声は昔聞いた声に似ていた。
「に…、兄さ…ん?」
戸惑いながら聞くと、
『そうだよ。あの母親…、あの女に殺された兄さんだよ。』
「!」
憎しみが伝わる程の声で喋った兄に吃驚する蒼。
『…君はこの時代が好き?』
「……佐々木以外大っ嫌いです。」
低い声で喋った蒼。
『そっか…。やっぱりあの女が絡んでる?』
兄が訪ねると、
「それが70で他が30ですね。」
『他?』
「はい。」
蒼は少し暗い表情で、
「佐々木以外僕を必要としてないからですね。」
『…』
「全く、どの言葉も信じられませんよ。皆綺麗事しか言わない。」
無表情で蒼が言うと兄は、
『…幕末。』
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