♯1

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『蒼…』 優しい声が頭に響き渡る。 その声は昔聞いた声に似ていた。 「に…、兄さ…ん?」 戸惑いながら聞くと、 『そうだよ。あの母親…、あの女に殺された兄さんだよ。』 「!」 憎しみが伝わる程の声で喋った兄に吃驚する蒼。 『…君はこの時代が好き?』 「……佐々木以外大っ嫌いです。」 低い声で喋った蒼。 『そっか…。やっぱりあの女が絡んでる?』 兄が訪ねると、 「それが70で他が30ですね。」 『他?』 「はい。」 蒼は少し暗い表情で、 「佐々木以外僕を必要としてないからですね。」 『…』 「全く、どの言葉も信じられませんよ。皆綺麗事しか言わない。」 無表情で蒼が言うと兄は、 『…幕末。』 .
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