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真っ赤な炎だった。
それは一瞬にして三メートル程も背丈がある生物を包み込む。
人と類似するその生物は、腕を振り回し抵抗するも、苦しさに悲鳴を上げたため瞬く間に肺をも焼かれた。
焼けた喉では断末魔の叫びさえ上げれはしない。
そのまま勢い良く地面に倒れこむと、その衝撃で体が軽く弾み、同時に大量の煤煙が空(くう)を舞った。
常人ならば数秒もしないうちに、胃の中身をきれいにぶちまけているであろうこの現場で、たった一人青年が最後を見届ける。
「まいどあり」
そうつぶやくと、まだ火も残り、異臭撒き散らす炭素の塊へ近寄った。
炭化した額からは真っ直ぐに伸びる一本の角。
それを掴むやいなや唸りをあげ引っ張る。
しかし、思いのほか頑丈なようでびくともしない。
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