【43】終焉

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「逃げろ… 柿那君」 最後の声を振り絞って小野君が言った。 「いちいち遠回しにしゃべってんじゃねえよ…」 井仲が目の焦点があっていないような顔で言う。 「彼は… 他の3人が裏切って警察に行こうとしたと疑って殺したんだ」 小野君がそういうと井仲が話すのをやめろと言わんばかりに、小野君を刺し続ける。 そして僕のほうに近づいて来る。 「うわああ!!」 僕は殺される… そう思って悲鳴を上げた。 「待て!」 そこへ刑事二人が現れた。 三石が制服の警官に合図を送り井仲を追いかける。井仲は逃げ出そうとしたが、赤崎に取り押さえられる。 僕は慌てて小野君へ駆け寄った。 小野君は僕を見ながら何か喋ろうと必死に体を起こそうとする。 「なんで… 大森君を殺したってことを知ったとき警察に言わなかったの…」 僕は小野君を抱え懇願するように言った。 「大森君を殺したということで裁かれても… おそらくたいした罪にはならなかったと思うんだ… 証拠も少ないし、死人に口なしだからね…」 今にも枯れてしまいそうな声で小野君はしゃべり続ける。 「でも小野君がここまでする必要があったの…?」 僕は涙を振り払うように顔を大きく横に振って言った。 近くに潜んでいたのだろうか、小野君の仲間と思われる人たちが取り囲む。 「ハハ、彼が殺しをするように仕向けたのは僕さ… 警察に投書を送り続けたり、彼らに匿名でメールを送ったりしてプレッシャーをかけたんだよ… 狙い通りに井仲君は仲間を殺害した、未成年って言ったって、3人も殺したんだ… 死刑確定さ… これでやっと”全員”死刑にできたよ…」 そう言って小野君は笑いながら目を閉じた。 完
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