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「うぅっ、ヤバいお腹イターい」
律子は午後の授業からお腹を壊していた。しかも先生の淡々とした音読が響き、よりじっとりした緊張感が、漏らしたらという恐怖を駆り立てる。
「律子ちゃん、大丈夫かい」
さりげない声で陽介が話しかける。陽介が女子たちに好かれる理由の一つとして、顔もいいのに気配りもできることがあげられていた。
毎回、気分を悪くしてる女子を保健室に連れていってくれるのだ。
「ううん、ちょっとダメだと思う。私ちょっと保健室に行ってくるね」
「俺も付き合うよ」
教師がまたかという顔をしていたが、二人で保健室へ行くのを許可した。
「ダメっ、トイレに行かないと、お腹が限界!!」
走りだした律子。
しかし、近くのトイレから、ぬっと飛び出した作業着のおじさんが立ちはだかった。工具を握りしめた手で、故障中の貼り紙を指さした。
律子の精神が崩壊しようとした、その時だった。
陽介が手を固く握り、律子を階段の踊り場に連れだした。とまどう律子に陽介がカッと目を見開く。
「律子ちゃん。今からここでウンコを捻りだすんだ」
「そんな……だって、私」
「漏らすよりはいいだろ。授業中だし、誰も来ないよ」
「でもお腹が痛いからたぶんビチャビチャだと思う」
「大丈夫だ。全部、僕が口で受けとめれば証拠はなにも残らないから」
「で……でも、陽介君にそんな」
うろたえる律子だが便意はもうすぐそこにきている。反対に陽介は仰向けで口をあんぐりと開けていつでもOKの体制だ。
「ごめん、陽介君!」
ブリブリブリブリ。
しかし、陽介は愕然とした。
「律子ちゃん……君は」
スカートの中から鼻につく異臭。律子はパンツの中にそのままひねりだしていたのだ。
「だって、陽介君にだすなんて死んだほうがマシだもん」
「だったら死ねや!」
陽介は律子を階段から突き落とした。ゴロンゴロンと頭を打ち付けていくウンコ女子。階下につくころにはうんともすんとも言わなくなっていた。
「なんのために下剤入りジュース飲ませたと思ってるんだ……くっ予定が狂った。早く次を探さないと」
ウンコを食べるタイムリミットまであと5時間。はたして陽介はどうなるのか。
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