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同じ新人にはあの外人選手や,元プロ選手もいた。
会見を終えて新人選手達がロッカールームに荷物を運び出していた。
そこへ燿輔の肩をたたく人物がいた。
「ナイスバッティング」
あの外人投手だった。
「オレノナマエハ,ルシオダ。ヨロシク」
ルシオは近くで見ると更に大きく片言だが日本語で話しかけてきた。
「あ,よろしく。そっちこそナイスボールだったよ。あのホームランはたまたまだよ」
ルシオと燿輔はすぐに仲良くなった。ルシオは20才でスペイン出身。17才から日本で暮らしている。留学生として高校野球も経験していた。
ミニキャンプ初日の最初のメニューは3000m走から始まった。
燿輔は3位でゴールし,なんとルシオは断トツの一位だった。
下位はベテラン選手と新人数名が占めていた。
2位でゴールしたエースの金村が話しかけてきた。
「おまえちっさいなぁ。でもなかなか早くてビックリしたよ。短距離なら負けるけどな(笑)」
金村は気さくな人柄で人格的にも投手陣のリーダー的存在だった。
「今年はレジェンズが生まれかわる年だ。新人だからって遠慮する必要ないからな」
金村は燿輔にドリンクを渡してトレーニングに戻っていった。
「頑張ります!!」
キャンプ初日から新人選手は徹底的に走り込まされた。
同じ新人選手である大型キャッチャーの河合は毎回最下位でリタイア寸前まで追い込まれた。
「波多野,俺もうダメ...」
「毎回言ってんじゃん。頑張ろうよ」
ランニングの後のウェイトトレーニング,そこからの短距離ダッシュ。
3週間で新人選手達はボールを触ることが出来たのは最後の4日間だけだった。
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