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ミニキャンプが終わり,1週間の休みがもうけられた。
燿輔も2日間,選手寮で寝たきりになるほど疲れていた。
1週間後には本格的なキャンプが始まることになっている。
2日間休んだあと燿輔はまた一人でトレーニングを始めた。
レジェンズのグラウンドに行くと数名の選手が自主トレを行っていた。
投手は金村ただ一人が外野でストレッチをしていた。
「やっぱ来たんか」
金村が話しかけてきた。
「新人はみんな寝込んでるらしいな。俺も3年所属しててこんなキツイミニキャンプは初めてだよ」
金村は笑っていて,キャンプの疲れがまったく顔にも出ていなかった。
「キャッチボールせんか?」
「はい!よろしくお願いします」
金村は左投げのしなやかな腕の振りで壁がしっかりできたフォームだった。
立ち投げで130km中盤の球。燿輔は時折,グラブの手が押されそうになる。
「速い,しかも手元のノビがハンパじゃない」
約50球ほどキャッチボールをした後,金村が燿輔にキャッチャーミットに変えるように支持した。
「ちょっとギア上げるわ」
そう言うと一球目,燿輔の胸元に強い速球が投げ込まれた。
「バシィ!!!!」
周りで見ていた選手も注目する。
「痛って...」
約150kmの直球。
燿輔もここまで速い球を捕るのは初めてだった。
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