忘れていたもの

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社の言ったことは一つも間違っていなかった。 今まで才能はあっても周りの環境,恵まれなかった体格もあり,誰からも注目されなかった。 高校3年時に甲子園出場したが,社率いる高校に大敗し,輝きを放つことはなかった。 そういった環境からそれが自分のさだめなのだと言いきかせてきた。 強いチーム,良い環境でやることだけが全てではないとわかっていた。 しかし,自分の夢は何だろう。 プロ野球... そんなもの遥か先にあるもの。すでに叶えられなかった過去のものとなっていた。 「昔のおまえは違った。ワイとレギュラー争いをしたときも絶対おまえは俺より負けたくないと努力してた。燿輔は今でもワイのライバルでおってほしんや!今のおまえは環境や体格に理由つけて逃げてるだけや!今からでもはい上がれる!」 自分で目を背けていた弱さを初めて人に突かれた。 「社...」 「ヮイはずっとプロに入っておまえと競うのが夢やった」 「プロ...」 社の目は本気だった。3年ぶりに会っても社は幼馴染みであり,本当の親友だった。そして,本当のライバルだった。 「ほな,考えといてや」 そうゆうと笑顔を見せて社は帰っていった。
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