224人が本棚に入れています
本棚に追加
/214ページ
今は冷静に状況を把握している場合じゃないんだった!
僕は状況を把握しきれていないまま、女の子を助けようと走り出していた。
その時、化け物が女の子を喰おうと、女の子目掛けて勢いよく首を伸ばしてくる。
「危なぁーいっ!!」
「──!?」
僕は飛び込んで女の子を押し飛ばすと、彼女は無事だったけど、僕の制服の裾が少し喰われていた。
「大丈夫!?」
僕は立ち上がり、押し飛ばしてしまった女の子の傍まで駆け寄ると、声を掛けた。
「なんでキミはここにいるの?」
その女の子の声音は、まるで感情をなくしてしまったかの様で、機械じみていた。
「えっと、その……」
「キミは今すぐここから逃げて。キミには関係の無いことだから」
「き、君も一緒に逃げなくちゃ! ここにいたらあいつに殺される!」
僕は女の子の腕を引っ張りながら叫ぶ。
最初のコメントを投稿しよう!