ヴォルール・ハロウィンとオルゴール

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少年はにっこりと笑うと、 「これ、ジャック・オー・ランタンの被り物だよね? そっか。てっきり、きみも仮装してるのかと思っちゃったよ。ごめんね。あ、きみ、お菓子もってる?」 「……ない、わ」 「そう。じゃあ、代わりにきみをもらっていこうかな」 ふいに。 少年の声が、低くなった。 無邪気な笑顔は魔法のようにかき消え、妖しい笑みがその少女のような顔に広がる。 「……え?」 「やっと見つけたよ、ぼくの獲物。唄うオルゴール、きみをね」
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