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ほぼ同時刻 ナルヴィス海軍基地
「おおーでかい船だな~!?」
頭にハンチング帽を被り腕にPRESS(記者)の腕章をした男が目の前にある物を見て感心したように声をあげた。
彼の名はヴェルナー・シュトライプ
彼の目に見えるのは灰色の壁。
ここには「おおすみ」が停泊しているのだが近すぎて船体の一部しか目に見えないのだ。
ふんふんと感心しているシュトライプの横にいる同じ腕章をした女性が
「フン!デカくたって大砲が無いじゃないですかー!」
不平たらたらで声を漏らした。
彼女はアルミン・シルツ。ロングにした髪をポニーテールにしたまだ若い記者だ。
彼らはアナトリア連邦1番の発行部数を誇る「アナトリア日刊」の記者だ。
「そう言うなよ...俺もそうなんだから~」
シュトライプも肩を落とした。
彼らが不満を言うのも無理は無い。昨日の昼に首都を出発して今の今まで一睡もしていないのだ。
彼らがボヤく周りには実に多くの人がいる。なんで多くの人がいるかというと現在アナトリアの軍関係者と記者に対して「おおすみ」の公開が行われているからだ。
ふと、その中から名前を呼ばれた気がしたのでシュトライプが振り返るとライバル紙である「連邦日報」の記者ゴードンが笑顔で手を振っていた。
シュトライプはチッと舌打ちすると
どっか行けとばかりに手を振った。
しかしゴードンは近づいてきて
「やぁ!アナトリア日刊のお2人さん!今日も出会えて嬉しいよ!!」
満面の笑みを浮かべ陽気に話かけてきたのだったが、
「分かったからどっか行ってくれ.....」
シュトライプは力なく言って落とした肩を更に落としたのだった。
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