日本とアナトリア連邦 ~上陸編~

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しつこいゴードンを追い払った頃に 「これより艦内の公開を行います。記者の方々は付いて来て下さい」 白い制服を着た日本の軍人、彼らの言うところの自衛官が案内を始めた。 艦内に入り最初に向かったのは入ってすぐの場所だった。説明によると車両を積み込む所だそうで現に緑と茶の迷彩塗装の車両が止まっていた。 「車ですね!」 「ああ、車だな」 そんなたわいのない言い変えればつまらない会話をしていたらシートが被さっている一角にまたされた。 そのシートはバカみたいにでかく、なにが入っているのか想像出来なかった。 「なんでしょうね?コレ?」 「俺が分かるか。おっ、シートを外すみたいだぞ....」 シュトライプはシルツそっちのけでシートが外されていく様子をグッと見る。 そして、 「っ・・・・・・・・・」 文字通り絶句した。 シートの下から現れたのは緑と茶の巨体。ゴツく平面で構成された車体には金属の板と巨大な転輪、そして上から突き出る太い棒。 何度か陸軍に取材に行ったことがあるシュトライプは理解した。 「こっ、コレは戦車だ・・・しかもこんな巨大なの見たことない.....」 途切れ途切れに言うと 「先輩。戦車ってあれですか?大砲の付いてる??」 軍事に疎いシルツが軽い調子で言った。 「そっ、そうだ。その戦車だ。だがこんなのは.....」 シュトライプはそのまま黙り込んで (一体なんなんだこの戦車は?いくらなんでも大きすぎる....) みたいなコトを考えていた。 その為に説明を全く聞いていなかった。 もっとも他の記者たちも同じような感じだったが。
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