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燎治「ちなみになんだか、アンタの遺体はもう発見されているのか?」
女子高生は横に首を振る。
燎治は少し考えて次の質問をする。
燎治「じゃ~死んだのは最近の話か?」
女子高生は少し間置いて首を横に振った。
燎治と女子高生のやり取りには会話が無く、燎治からは、だんだんと苛立ちを感じさせる表情が伺える。
燎治「あ、あのさ?・・・ちなみ、アンタ喋れないの?」
女子高生はコクリと頷いた。
燎治「あっ、そう・・・」
燎治は素っ気なく返事をし、最後に一番気になっていたことを口にした。
燎治「で、俺を殺しに来たんじゃ・・・ないんだな?」
女子高生はコクリと頷いた。
燎治は少し安心したが依然として状況が変わったワケではなく・・・いや、あえて言うのであればこの女子高生の幽霊の登場で場は余計に乱れていた。
そこに姫深乃からのメールが返ってきた。
姫深乃もその不可解な現状を気にしているようだったのですぐこちらに着てくるそうだ。
姫深乃が来てくれれば、この状況を打開できるかは謎だが、少なくともこの女子高生の手掛かりを得意の占いで占ってくれればこっちは直ぐに片付くだろう。
そして、燎治は誰もいなくなった教室で姫深乃を待っていた。
薄暗くなった教室・・・
そして、それは突然やってきた。
教室全体を覆う、黒い気配・・・
いつの間にか完全に囲まれいる。
燎治「くる!!」
女子高生は教室の一角、一番黒い気配の強い場所をおぼつかない感じで、ゆっくり指さした。
燎治「オマエ、人間に殺されたワケじゃないのね・・・」
女子高生は頷く・・・
「うがぁぁ――――!」
「ぐおぉぉ――――!」
それは一斉に不気味な姿を現した。
人間の頭蓋骨だろうか?それが淡い紫色の炎を纏い浮遊している。
そして、そいつも姿を現す。
全身の血肉は剥がれ落ち、骨だけにだというのにそいつはしっかりと立っていた。
燎治「低級悪霊をゾロゾロと引き連れやがって・・・親玉気取りか?」
「グアァァ―――!!」
骸骨は雄叫びを上げる、するとその骸骨の額に埋め込まれた石のような黒い結晶が強く紫色に輝きだす。
それに応えるように頭蓋骨、低級悪霊達は一斉に燎治に襲いかかってくるが、燎治は慣れた手つきでカバンから青い札を取り出し・・・
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