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燎治は姫深乃とも別れて重い足取りで登校していた。
しばらく道なりに歩いていくと燎治の通う木々に覆われた巨大な学校・・・
《都立五光星天神高校》
が姿を現した。
その名の通り上空から見ると学校自体が星型をしていて、一見すると外装内装ともにとても綺麗だが、その歴史は古く、遥か昔に強大な力をもった妖怪達を一挙に封印したとされている。
そのためか、都内でも非常にランクの高い学校なのだが悪霊や幽霊などの怪談話が尽きなし現にここにはその強大な妖怪に引き寄せられてか低級悪霊達が集まってきやすい傾向にあった。
燎治はふらふらと自分の教室へと歩いていく。
燎治「んっ?」
そして何事なく教室へとたどり着いた。
さっきも上記した通り、霊なんかの類が集まりやすい傾向にあるこの場所は毎朝、燎治が登校すると何人かはこの世の者では無い者とすれちがうのがごく日常的なのだが今日はそれがなかった。
燎治「珍しいこともあるもんだな・・・念のために・・・」
燎治は席につくと霊感を研ぎ澄まし自らをレーダーとし網を張り霊的なモノを隈無く捜すが・・・
地面の下から微かに感じる程度で他はなにも感じなかった。
燎治「おかしい・・・何故だ・・・」
と思わず疑問の声が漏れた。
授業中も眠いのを我慢しながら何回か霊感を研ぎ澄まし、網を張るがやはり結果は一緒だった。
燎治は疲労よりもどこか胸騒ぎを感じ念のために姫深乃に放課後こっちの学校にくるようメールしておいた。
昼休み、手早く昼食を済まし屋上で横になりながら網を張った。
すると不可解なことに気付く・・・
確かに霊は外から侵入している・・・が、侵入した途端その反応が消えてしまっている。
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