第1話

7/29
前へ
/102ページ
次へ
「みんな、ドッチボールしに行ったよ。紅亜も行こ」 「行かない」 わたしは本に視線を戻す。 「も~う、何でいっつも断んの?!」 「体動かすこと、嫌いだから」 さゆりはため息をつき、わたしの頭の上に顎を乗せる。 「……いつまで、抱きついてんの」 「紅亜が、ドッチボールするって言うまで~」 「言わない、残念だね」 「子供は外で遊ぶのが、一番なんだよ」 「そういう、ドッチボールとかっていうのが、子供っぽい遊びで嫌い」 「マセガキ~。紅亜って何でそんなマセてんの~?」 「マセてない」 .
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加