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「そんじゃ、行ってくるね。あっ!もし気が向いたら、紅亜もおいでねっ」
「気が向いたらね」
わたしはクスクス笑って、さゆりの後ろ姿を見つめる。
ありがとね、さゆり……
そう心で呟き、本に集中する。
――――。
「ただいまぁ~」
靴を脱ぎ、リビングに向かう。
「おかえり、紅亜」
お母さんはわたしの顔を見てから、また家事に集中する。
わたしはその辺にランドセルを置き、ソファに座る。
「ちょっと紅亜~。ランドセルは自分の部屋に置きなさいって、言ってるでしょ」
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