第1話

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お母さんは自分で淹れたコーヒーを一口飲み、ジッとわたしの目を見つめる。 「単刀直入に言うわね」 「うん……」 何この、重苦しい雰囲気…… こんな雰囲気になるって、そうそうない。 「お母さんね……」 わたしはお母さんの口の動きをじっと見つめ、ゴクッと唾を飲み込む。 「お母さんね……再婚しようと思うの」 「へぇ……?」 自分でも驚くほどのマヌケな声が出た。 「さ、再婚?」 「そう。……同じ歳の人なんだけど……」 わたしの心臓が、ドクン……と低く鳴り響く。
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