第1話

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「大丈夫よ? 今回の人はきちんと優しい……」 「そんなの、騙されてるかもじゃん! お母さん、あの人に騙されてたようなもんじゃん! 優しい人だと思って、あの人と結婚したんでしょ? でも結局、最低な暴力親父だったじゃない……」 「紅亜……」 「お母さんには悪いけど、ダメな男に騙される人って、何回も引っ掛かるって言うじゃない」 「そう思っちゃうのは仕方ないわ。でもね、その失敗があったから、わたしはきちんとした人を見つけ……」 「別に再婚しなくてもいいじゃん……」 わたしはお母さんの言葉を遮った。 「2人で今、のんびりと楽しくやってるんだからさ……新しいお父さんができたら、またつらい目に遭うだけだよ……」 「……」 お母さんは何も言えない様子だった。 「わたし……認めないから!」
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