第1話

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「紅亜……!」 きっぱりと断言をし、わたしは自分の部屋に駆け込んだ。 再婚? 新しいお父さん? 嫌。そんなのいらない。 だって、前のお父さんは…… 「うっ……けほっ……げほげほ!」 わたしはむせ返る。 ふうっと、何度も深呼吸を繰り返し、心を落ち着かせる。 「はぁ……はぁ……」 久々にあのときの記憶が蘇った。 『いたっ! 痛いっ……痛いよ、お父さんっ……やめてよぉ!!』 『うっせぇ! ピーピー泣いてんじゃねぇよ!』 そう言って、何度も何度も 殴られ、蹴られ、殴られ……を繰り返し 顔や体には、痣が絶えなかった。
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