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『やめて!』
そう泣き叫んでも、誰も助けてくれる人なんていなかった。
お父さんがわたしを殴るときは、いつもお母さんが仕事でいないときだった。
そんな暴行の中でも、一番ひどかったのは……
『いっ……あっつい!! 嫌ーーー! 熱いよ! やめてよぉ!!』
根性焼きをやられたときだ。
お父さんはゆっくりわたしの腕から煙草を外し、くっくっと楽しそうに笑いを浮かべていた。
『おまえはすぐビービー泣くからな、根性つけてやってんだよ。感謝しろよな』
『うっぅう……う~ぅえっ……』
わたしはもう泣くことしかできなかった。
そのとき、お父さんの拳がわたしの目の前に現れた。
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