第1話

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……と思った瞬間、わたしは勢いよく後ろに倒れる。 殴られた衝撃に耐えられなかったのだ。 『うぇっひっく……うぅ……』 『本当おめぇは目障りなやつだな。ほら、もう一回腕貸せ』 そう言ってお父さんはわたしの腕を引っ張り、先程より強く煙草の火の点いた先端をわたしの腕に押しつけた。 『いやああぁぁぁあああ!!!』 あまりの痛さに、わたしは絶叫した。 それから、暴行はなくなった。 親が離婚したからだ。 根性焼きをされている途中に、お母さんが帰ってきたのだ。 その現場を目撃して、お母さんは今まで悩んでいた離婚を決断したらしい。 そのあと、お母さんは泣きながらわたしに謝ってきた。
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