第1話

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あのことがきっかけで、わたしは“男”という存在が怖くなっていた。 人付き合いが苦手になったのも、それからだろう。 怖いんだ。 こんなこと言ったら、怒られるんじゃないか…… そうやって、どんどん臆病になっていて 自分から人を避けるようになった。 だって、避けられるよりも、避けるほうが心も痛くならない。 人は苦手。 男なんて大嫌い。 わたしには、お母さんとさゆりがいれば それだけで十分なんだから……―― 「どうしよ~さゆり~……」 わたしは昨日のことを、さゆりに相談した。
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