第1話

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「あれ……お母さん、紅亜に話してなかったけ? “和龍”のこと」 「うん……知らない」 「嘘ー! ごめんねっ」 「相変わらず恵は、抜けてるなぁ」 「もうっ、うるさいわね! ちょっと忘れてただけじゃない」 ……で、誰なのよ、その“わりゅう”って人はぁ~!! 「あっ紅亜。“和龍”はね、春樹の子供なの」 はい? 一瞬、思考が停止した。 わたしはまじまじと正波さんの顔を見つめる。 「えっじゃ、じゃあ、正波さんも……バツイチの子持ち……?」
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