第1話

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「相変わらず失礼」 わたしはさゆりのおでこをペシッと叩く。 「見たまんまのことを、言ってるだけじゃあ~ん。怒らない、怒らない」 「別に、怒ってない」 さゆりは、このクラス……いや、この学校で唯一の友達だ。 まぁ幼なじみということもあってかもしれないが、いつでも行動を共にしていた。 でもさゆりは、わたしと違って 明るくて、おもしろくて、かわいくて、誰からも人気がある。 もちろん、モテる。 たくさん、友達もいる。 けど、さゆりはいつもわたしのそばにいる。 でもわたしは何かおもしろい話ができるわけでもなく、今時の芸能人の話などもまったく疎い。 わたしといても、さゆりはつまらないのではないかと多々思う。
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