変わる虹

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「こちらが報酬となります」 いつも通りに依頼をこなした俺は、いつも通りに報酬を受け取る。 ……とは言っても、報酬はギルドカードというものに振り込まれるため、受け取るのはその内訳の紙のみだ。 「またよろしくお願いしますね、『蒼天の虹』様」 かしこまった態度で受付の娘は言う。 その変に敬った態度に、違和感を覚えた俺は、あははと笑いながら応えた。 「いつも通りに呼んでよ、アイリ」 見知られた顔だというのに敬語を使われると、くすぐったい気持ちになる。 そんな気持ちが表情に出てしまったのか、アイリはふふっと口に手をやり、可愛らしく笑っていた。 「Sランク昇格、おめでとうワタル」 俺は満足気にコクリと頷く。 ―――――『蒼天の虹』……か。 遂に俺も世界中で噂されるような存在になったんだな。
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